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Channel: 橋本リウ詩集
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「真田丸」 第10回 資料がないのを武器にする、とはこういうことさ

 まずはお断りを。 失敗した人に追い打ちをかけるのは甚だ不本意なのでありますが、実はホントはしたくて仕方ない根性ワルなので、ご了承いただきたいと思います。 というのも、今年の大河を見ていると、まるで去年の大河の失敗の原因が、とてもよくあぶり出されてくる気がしてならないからなのです。 去年の大河、主人公が結構無名の人だったのに関連して、当初脚本を担当したおふたかたのどちらかが...

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「真田丸」 第11回 なんのためにその話をするのか

 三谷脚本は今回、信繁の祝言の席で小県の国衆のひとり、室賀を暗殺する、というプロットを考え出しました。 信繁の祝言と室賀の暗殺が同時に行なわれた、という記録はたぶんないはずです。 前回の当ブログレビューでも触れたように、三谷サンはそのふたつを繋げて話を創作している。 いったい何のためにそういう話を作り出すのか。 特に室賀が出浦や高梨内記に斬られてからきりがとった行動を見て、ふと考えました。...

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「真田丸」 第12回 人質・信繁から見た、謙信公亡き後の上杉

 「正直、昨日まで私は御屋形様を尊敬しておりました。 …(しかし)今はそれ以上に、慕わしく存じます」。 先代謙信公の志を引き継いで、清廉潔白な政をしていたと思われた上杉景勝。 しかし、その情けない実情を垣間見たとき、上杉に人質として送り込まれていた信繁は憚ることなく、景勝にこう述べるのです。 今回のドラマでは過去2度にわたって、「いずれ上杉の人質となる」 信繁と、上杉景勝を邂逅させていた三谷サン。...

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「あさが来た」 最終回まで見て

 21世紀に入ってから、つまり過去15年のNHK朝ドラのなかではいちばん視聴率がよくなった、という今回の 「あさが来た」。 前回、1月のレビューで私はこの 「あさが来た」 というドラマについて、「あさのビジネスの概要が見えてこない」 ということを書きました。...

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「とと姉ちゃん」 第1回 穢れのない世界

 「暮しの手帖」 の創始者である大橋鎭子サンをモデルにした、今回の朝ドラ。 ウィキで調べたら、ちょうど3年前にお亡くなりになっているらしい。 享年93歳だから、もうじゅうぶん生きたのかもしれなかったけれど、ご自分がモデルの朝ドラなんて、長生きした最大のご褒美になったでしょうに、残念なことですね。 肝心の本編ですが、まず 「暮しの手帖」 は大人の事情で(笑)「あなたの暮し」 に改題。...

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「真田丸」 第13回 お梅はなぜ死ななければならないのか

 上杉と手を結んだ真田が上田城において徳川の軍勢と対峙する第1次上田合戦。 歴史好きにはこの合戦の勝者は真田で、徳川は大軍を繰り出したのにボロ負け、というのが分かっています。 さらに今回、ドラマのなかで昌幸が仕掛ける軍略チャートを見ていれば、その知識がないものでも、「これは真田の勝ちだな」、というのが即座に分かる流れでした。...

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「ラヴソング」 第1回 「外周」 つまり見てくれが、かなり悪いドラマ、だが

 今年に入ってから、脚本家とか 「すでに出ている情報」 からドラマを選択するのをやめよう、と思いまして(でも 「刑事モノ」「事件モノ」 は外す…笑)、今回の月9もそれに倣って、主役が福山サンであること以外はほぼプレーンな状態で見たのですが、これがなかなかよくて感動もして泣いたりもしたんですよ。 ネットの評判もさぞやよかろう…と思って見たら、しかしこれが散々で。...

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「重版出来(じゅうはんしゅったい)!」 第1回 黒木華の 「腰の重さ」

 黒木華サンが 「真田丸」 で死んでから早くも復活(笑)。 柔道に挫折した、「新人熱血マンガ編集者」 を演じます。 ただ 「新人」 と 「熱血」 には最初ハテナマークがつきました。 黒木華サンは 「新人」 っていうイメージじゃないし、「熱血」...

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「世界一難しい恋」 第1回 「エラソー男」 の生態観察

 大野智クンが一流ホテルのゴーマンなトップを演じるラブコメドラマ。 相手役の 「あさが来た」、ヒロインの波瑠サンの民放復帰第1作、という話題性も加味しています。 「あさが来た」 でその波留サンの下で働いていた亀助さん(三宅弘城サン)が今度は波瑠サンの上司で出てるほか、「まれ」 で主人公の親友を演じていた清水富美加サンが波瑠サンの同僚とか、朝ドラつながりの布陣が目立つ気もします。...

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「OUR HOUSE」、何がそんなに悪いのか

 フジテレビが日曜夜9時からのドラマ枠を復活した第1弾(2弾があるかどうかは疑わしい…)、「OUR HOUSE」。 新聞によりますと4月からの春ドラマで全局最低の4.8%という、見るも無残な視聴率だったそうです。 しかしこれほど、その原因が分かりやすいケースも珍しい。...

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「真田丸」 第14-15回 その死まで付き合うことになる、三成、そして淀

 上杉景勝に付添い、大坂に赴くことになる信繁。 第14回 「大坂」 ではその必然性をこれでもか、とばかり描写したのに対し、第15回 「秀吉」 では信繁がその最期まで付き合うこととなる秀吉と、それを取り巻く人々とのファーストインパクトを強烈に演出しました。 私はこの 「真田丸」...

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「ラヴソング」 第2-3回 失うことの痛み

 開始から 「年の差恋愛」 というキーワードがついてまわるこのドラマ。 私も当初、「そういうドラマなら興醒めする」 と考えていたのですが、じっさい3回まで見た限りで言うと、「ハタチくらいの女の子が自分の父親みたいな年の男に恋をする」 という内容ではあるが、それは 「憧れ」 でしかなく、危惧されたような相思相愛水域にはいまだ踏み込んでいないように思えます。...

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「トットてれび」 第1回 おそるべき満島ひかり

 今回のNHK土曜ドラマは黒柳徹子サンが題材なために、いつもの21時台だと裏で黒柳サンが出演していらっしゃる 「世界ふしぎ発見!」 とかぶってしまうためか、20時15分からのスタート。 黒柳サンはNHKの専属タレント第1号であることからも、黒柳サンへの配慮が十二分になされている印象です。 で、30分番組、という尺の短さ。 45分やるもんだとばかり思ってましたので、「アレ?もう終わりなの?」...

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「真田丸」 番外編 28年前の大河ドラマ 「武田信玄」 と比較する

 はじめにお断りいたします。 この記事、実は5月のアタマから 「真田丸」 のレビューとして書き始めたのですが話がどんどん 「武田信玄」 との比較にシフトしてしまい、結局スランプもあって仕上げるのにかなり時間がかかってしまいました。 まあ一部のかたを除いてあまり期待されていないとは思いますが、結果的にひと月近いブランクが空いてしまいました。 おまけに放送中の 「真田丸」 の内容まで達していないために...

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「ラヴソング」 第4-8回 strength(強さ、ということ)

 「史上最低視聴率の月9」 という有り難くない形容詞が亡霊のように付きまとってくる 「ラヴソング」。 その不評の裏にあるものについて当ブログではこれまでコメント欄でのやり取りも含めて言及してきたつもりです。 ただドラマウォッチャーのはしくれとして感じるのは、「このドラマはそんなに言うほど悪くない」、ということです。 どころか良質のドラマだとさえ思う。...

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「トットてれび」 第2-5回 おそるべき空虚と、希望と

 前回のコメント欄に少し書いたことをちょびっとエラソーに発表したくなりました(笑)。 この 「トットてれび」 というドラマ、満島ひかりサンのモノマネやテレビ界のうわべの華やかさに騙されてはいけない。 このドラマは、老後に誰もが味わうであろう、「自分の知り合いが次々死んでゆく」 という 「おそるべき空虚」 をはからずも描いている。 考えてもみてください。...

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「真田丸」 第16-22回 三谷脚本の 「引き算」 的手法

 大坂入りした信繁を待っていたのは、アブナイ連中による危うい権力構造でした。 秀吉、茶々、加藤清正、この誰ともお付き合いしたくないようなエキセントリックさで(笑)。 こうした構造で豊臣政権のギクシャク感を表現しようとする三谷脚本のキャラ設定は見事です。 信繁が馬廻り衆(警護役)として秀吉に仕えてしばらくしてから、三谷サンは豊臣秀長に...

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「真田丸」 第23-26回 人の世の業

 「このドラマは豊臣をはじめとした権力の崩壊の必然性を解説している」 などと前回までの感想文を眉間にしわ寄せながら書いていたところ、書き終わらぬうちに始まった次の 「瓜売」。 完全なる 「笑わせ」 モードでまた先週との落差が激しい。 おかげで先週までのレビューは完全にボツ(笑)。 このところ三谷脚本は回ごとに舞台設定を縦横に駆使している印象です。...

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「ウルトラマンオーブ」 とウルトラマン誕生50年について思う

 NHKBSプレミアムではこのところ、ビートルズ来日とウルトラマン誕生から50年ということで3時間のスペシャル番組を土曜日に放送しまくっている。 ビートルズのほうは録画予約しといたのに 「放送時間が変更になったため録画できませんでした」 とかワケのわからない言い訳で(「お知らせメール」 とかいうのがあるのだ)録画機が勝手に仕事放棄したためレビューの書きようもない。...

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永六輔のいた時代

 永六輔サンが亡くなった。 ラジオ人間である私にとって、永サンは常に 「TBSラジオの人」 といった印象がある。 実際は放送作家から始まって作詞家、作家などひとつのメディアに収まるような人ではなかったのだが。 物心ついたときからいつもラジオがTBSのチューニングのままつけっぱなしだった我が家には(現在も未だにそうなのだが)「遠くへ行きたい」 の尺八のメロディーが流れてくる 「誰かとどこかで」...

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