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Channel: 橋本リウ詩集
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NHK 「震災から5年 明日へコンサート」 SMAPの存在を実感する契機

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 東日本大震災から5年と1日が経った12日、被災地の復興を念頭に置いた生放送のコンサートが福島県の會津風雅堂をメイン会場に行なわれたのですが、その全体的な印象はまるで 「プチ紅白」 のようでした。
 司会がSMAPの中居クンと有働由美子アナで、曲の前説に出てくるスーパーインポーズの体裁、そして巨大スクリーンをバックに繰り広げられる演出などが紅白歌合戦にかなり似せた作りをしていたからで、それが會津風月堂という規模の小さなキャパのなかで展開し、見ているほうはなんとなく 「大晦日の疑似体験」 をさせてもらった気さえするのです。

 ただ会場がNHKホールと比較してかなり狭いため、体裁は紅白ながらも出演者と観客との距離はぐんと縮まり、紅白のよそ行き感よりも断然アットホームな雰囲気であったことは確かです。
 そして紅白と決定的に違ったのは、出演者たちの歌に絡んで流される、被災地の人々と出演者たちの交流のVTR。 これが流されることで、復興から5年を経た東北の現在を垣間見せる努力がなされていた、と感じます。 歌番組において震災の遺してきたものに思いを致すには、申し分ない内容だったのではないでしょうか。

 會津風月堂を 「メイン会場」 と先に紹介しましたが、これも紅白の体裁と同じように、出演歌手によっては東北の別の地域からの中継でした。

 プリンセス・プリンセスは実に紅白の出場以来何年かぶりの(年数忘れた…笑)歌番組出演で、宮城県のライヴ会場から。 被災地への義援金を募るために再結成していたプリプリ、その寄付額が3億円とかいうニュースを最近聞いて驚いたばかりでした。 「3億…オイシイな(笑)」。 義援金目的でなくてもプリプリで食ってけるのではないのか?みたいな。
 歌ったのは代表曲の 「ダイアモンド」 でしたが、数年前紅白で見たときより、奥居サン…もとい、岸谷サンは声がよく出ていたような気がしました。
 さだまさしサンは 「絆診療所」 という被災地の病院(申し訳ない、注意深く見てなかったので情報が曖昧です)で、それこそ 「生さだ」 クラスの2、30人程度の観客を前に、「家族に乾杯」 の主題歌 「Birthday」。
 これら中継の趣旨は紅白のそれと違って、被災地からのものであるだけにきちんと意義が存在している。 紅白での中継って、「NHKホールで一緒にやんなきゃ意味ねーじゃん、カッコつけてんの?」 と思うことが多いけれど、こちらの番組は違います。

 「観客との距離が近い」 という点では、Kis-My-Ft2などはモロに客席に降りていっての歌唱で、メンバーのひとりなどは(ゴメン名前知らん)被災地でこの11日まで営業していた食堂のオバサンにかなりしっかりと手を握られ(笑)そのオバサンの 「手が震えてます」 と状況を説明するなど、キスマイをよく知らん私などにもほほえましい内容になってました。 歌知らんでもこういう演出はいいな。

 八代亜紀サンはもう、ガチのなかのガチ(スイマセンなってない日本語で)「舟歌」。 これ聴くだけで世界は一気に 「紅白」。 高倉健サンと倍賞千恵子サンの気分になれる(笑)。

 セカオワはNHK合唱コンクールの課題曲 「プレゼント」 を、郡山第二中学校(だったっけ?)の合唱部の子たちと。 この合唱部の女の子の 「いろんなことがあったから…」 と涙がこみ上げてしまうVTRではもらい泣きしてしまいました。

 キロロも久しぶりに見たのですが、VTRで歌ってた 「Best Friends」が聞きたかったけど、より被災者の方たちの心に寄り添ってると思える 「未来へ」。 沁みますね。

 そのほか、ゆずとか乃木坂46とか。 やはり楽曲は被災者たちのために歌われている、といった風情でしたが、やはりもっとも沁みたのは、綾瀬はるかサンが主導で出演者全員で歌われた 「花ーははーなは花は咲くー」。 亡くなった人への手紙が届くポスト、というパートで、そのポストの管理人さんが 「手紙を書いているあいだ、書く人の心は亡くなった人を思っている」 という言葉が、重たかった。 そのうちの手紙のひとつを綾瀬はるかサンが読んでから歌に入る、という演出でしたが、どうも以前の紅白のように、綾瀬はるかサンを泣かそう、という演出が入っていたような…(笑)。 でも泣きませんでしたよ、彼女(笑)。
 ちなみに綾瀬はるかサンはちょうど1週間後に始まる 「大河ファンタジードラマ 精霊の守人」 の主演ですね。 その関係でこの歌番組に出たのかな?

 ラスト近くでは北島三郎サンが、これもガチのなかのガチ、「まつり」 です。
 サブちゃん、やはり紅白にどうしても必要だぞ。 この人がいなくなった紅白は気の抜けたサイダーも同然ですよ。 戻ってきてくれーっ。

 そしてPerfumeの歌のとき、コケシスターズと会場のみなさんと一緒にペンライトを振ってた中居クン。 すごいコワイ顔でムチャクチャ吹きました(笑)。

 その中居クン、やはりさすがにさすがの司会進行…だったのですが、私がこの1時間半の番組を見ていていちばん気になったのは、年明け早々解散騒動があった、SMAPのあいだに流れる空気感だった気がするのです。

 そしていちばん感じたのが、SMAPの存在感。

 「人気歌手不在の時代」 みたいなものがどうも日本のミュージックシーンの主流となっているように感じる現在。 そんな時代がずいぶん長いように思っていたのですが、VTRで東北のかたがたと交流するSMAPのメンバーって、老若男女全員に認知されている。 「これってすごいことなんじゃないのかな」、と。
 そして彼らは例外なく、周囲から歓迎されている。 誰が人気ないとか、ないんですよ。 全員が均等。

 この番組、まずSMAP全員が会場の観客出入り口からこっそりと場内に入り、歌歌いながら観客席を通りステージに上がっていく、という演出だったのですが、そこでもうすでに会場の空気を主導していた。
 そしてラストの 「世界にひとつだけの花」 でも観客席に降りていって、観客との一体感を高めていく。 きっちりと、ホントにきっちりと締めてくれる。
 なんなのかなー、こういう種類の観客席って、SMAPのファンばかりじゃないわけですよね。 それが、みんな例外なく熱狂するんですよ、彼らと触れ合いたくて。 はからずも木村クンとデュエットしてしまった女性などは、恍惚とした感じにも見えた。
 これって彼らが、漏れることなく全員エンターテイナーである証拠ですよ。
 たしかにあの騒動の後だから、SMAPの存在の有り難さをみんなが分かってしまった証拠でもある気もする。
 彼らはどうしても、この5人のユニットでしか、実現できないパワーというものを持っている。

 そのアビリティを、彼ら自身がどう評価するのかはまた別の次元の話なんですが、もし彼らが今後ホントにひとりひとりでやっていく、という決断をした場合、そのかけがえのないアビリティはもう再び戻ってはこない、ということだけは確実に言える。 それを自分たちがどう天秤にかけるのかの問題、なのでしょう。

 最後になりますが、東北の復興状況を考えた場合、保育所の問題よりもよほど 「日本死ね」 的な気分にはなりますね。
 それこそ五輪のエンブレムとか国立競技場とかで、数千億円も無駄に使っている。 数千億ですよ? 数十億でも数億でも数千万でもない。 アホの集団だと思いますね政治家は。 あげくに足りないお金は税金増でなんとかなると思ってる。 日本の人口が減少してるのにどうして国家予算が史上最高とかなんのか、ワケが分かんない。
 どっかの野合は自分たちの名前決めるのに汲々としてるし。 「寄せ集め党」 とでもしとけ(笑)。

 で、「コストが安い」 とかいう理由で原発をやめらんない連中。 結局高くついてんじゃん(イカン、言葉がぞんざいになっとる)。 おまけに何十万年とかゴミだけが残るし。

 「死ね」 とか言われて躍起になって。 程度が知れる、というものです。

 復興は、遠い。


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