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Channel: 橋本リウ詩集
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2016年冬ドラマ、第1回目を見て その1

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 実はこの記事の前の記事 「『ドラマの殺人』 について考える」 は、この記事になるはずでした。 あらためて 「どーしてそうなったのか」 を説明しながら話を進めていきたい、と思います(記事のコメント欄には書いたけど)。

 まず、先の記事にも書いた通り、今回ちょっと 「刑事モノ、犯罪モノ」 という、普段ならパスするドラマまで、新番組はほぼ全部見てやろうと思いまして、2、3のドラマを除いて見まくったのです(除いたのは 「ちかえもん」「ケイコとマナブ」 いや違った、なんかダンナを殺そうとかゆーやつ)。

 そこで感じたトータルな感想が、「人を殺すとか殺されるとか、多過ぎ」。
 特に嫌になったのが、日テレ土曜夜9時の 「怪盗山猫」でした。

 このドラマ、最後まではなかなか面白い、と思って見てました。 亀梨クンは大泥棒を 「ちょっとイっちゃったルパン三世」 みたいなノリで演じてたし、妙なところで佐々木蔵之介サンが刑事役だったり都知事に立候補するニュースキャスターに北村有起哉サンが出てたり 「なんだキャストの無駄遣いだな」 と思いながら(笑)見てた。
 そしたら、怪盗山猫一味のドランクドラゴンの塚地サンが、ラストで殺されちゃうんですよ。 状況的には亀梨クンが 「テメー、ヘマばっかりしてオレを裏切っただろ」 と言って、響く銃声、次のシーンでは無残に殺された塚地クンの遺体。
 たしかに亀梨クンが撃ったかどうかはドラマを見ている限り分かんないし、ひょっとして塚地クンが死んだのはフェイク?とも疑われるのですが、それまで見ていた楽しい気持ちがここで一変。 非常に後味の悪いものになってしまったのでした。

 特によかったのは亀梨クンと、「天才ハッカー」 の広瀬すずチャンの怒鳴り合い。 ここでは犯罪者の、被害者意識丸出しで勝手で甘ったれな心理を広瀬すずチャンが好演していました。
 亀梨クンに引きずられて犯罪に協力してしまう成宮寛貴サンもよかった。 この人、なんか私は見てないけど、「相棒」 ではかなり印象悪くなったみたいだから(笑)。

 しかしドラマの中で何度も、山猫役の亀梨クンは 「オレたちは義賊なんかじゃねえ。ただの犯罪者だ」 と断ってたから、「山猫ってホントはいいヤツなの?悪いヤツなの?」 という疑問を見る側に植え付け、視聴者を引き付けておこう、とする演出なんだ、と思いますよ、塚チャンが殺された、というラストの展開は。

 でもそんな演出、要りませんから。

 ホントにいいヤツだったら、ワルモノから自分たちが奪還した振り込め詐欺による汚い金を、被害者の老人たちに、返すでしょ(笑)。 「そんだけお金を持ってんだから、別にいーじゃん」 という感じで、「それじゃ振り込め詐欺してんのと同じじゃん」 というか(返した、っていう場面、ありましたかね?)。

 私が気になるのは、山猫という男がどうしてそういう生き方をしているのか、という点であって、犯罪者なのか義賊なのか、っていうレッテル貼りではない。
 だって 「ルパン三世」 だって、同じようなもんじゃないですか。 ルパンは基本、大泥棒ですから。 このアニメを私たちが追い続けるのは、ルパン、という男の生き方を見たいがためであって、ルパンが人道的にいいのか悪いのか、という視点で見てるわけじゃない。

 そして私がまた嫌になったのは、同じ日テレでスイマセンが、水曜夜10時の 「ヒガンバナ~警視庁捜査七課」。 堀北真希チャンが人の心を読める刑事とかで、その捜査七課というのがまた、ドラマによくありがちな 「ホントはそんなのない課」。 女性ばかりで普段は女子会トークばかりなのにいざとなるとスキルがエレーある、という、「テメーラ、もっと普段からマジメにやれ~」 という、…まあよくありがちな。

 まあホリキタのハスッパな演技が見てらんないとかYOUサンがどうだとか話がもたつき気味とか錯綜しすぎとかいう議論は置いといてですね(笑)。

 第1回は初回限定大盤振る舞い編でふたつの犯罪が同時進行していくのですが、その、フェリーに爆弾を仕掛けた、とかいう犯人のことで。

 コイツがチョームカつくんですよ。

 なんかもう、こういう演出って、何のためにやるんですかね?

 前の記事のコメント欄にも書いたのですが、作者はこういう愉快犯みたいな犯人をドラマに引っ張り出してきて、犯罪を犯した奴らに対して大衆の怒りを煽って、市中引き回しの上獄門の刑でもさせたいんですかね。 北朝鮮や中世ヨーロッパみたいに、ギロチンによる公開処刑でも唆しているんですかね。 死刑廃止論者を悔悛でもさせようとしてるんですかね(まんまコピペ…笑)。

 こういう 「世の中なめてんじゃねーぞ」 的な犯人は、せめてドラマの中だけでもじゅうぶんなお仕置きをするべきだと思うのですが(そのような場面はなかったけど)、あったらあったでそれはそれでこっちの気分まで嫌になってしまう。 「目には目を、歯には歯を」 かよ、というか。

 いずれにせよ、ドラマを見たあとで、こちらの気持ちがささくれだっているのを感じることは、けっして気分のいいもんじゃありません。
 ホリキタ、こういうの見たいわけじゃないんだけどなー。 去年の変なセレブ病院ドラマとか、変に先輩女優に囲われたがるし、なんか迷走してる、このコ。 まあもともと、そんなに主役としての力量や熱量がある役者だとは思わないのですが(「三丁目の夕日」 あたりが無難なのではないか、と)。

 さらに鬱気分が助長されるのは、TBS金曜夜10時の 「わたしを離さないで」。 カズオ・イシグロ原作を綾瀬はるかサン主演で、というドラマですが、いきなり臓器摘出をしたばかりの男に注射を打って死亡させ、火葬する、というショッキングなオープニング。
 それを無言のまま無表情で遂行した綾瀬はるかチャンの、子供時代に場面は転換する。
 出てきた子役はチビあさチャン。 というか、もともとチビ八重チャンだったのですが(笑)。 鈴木梨央チャン、ようやく綾瀬はるかチャンのもとに戻りました(笑)。 この子がいるのは、人里離れた孤児院みたいな学園。 この学園、かなりショッキングな役割を果たしているのですが、すでに私は 「もう人殺すとか、どうにかしてよ」 みたいな気分でして。

 ただ、話は 「ドン暗」 の極致なのですが、子供たちの演技や、その学園の美術教師である甲本雅弘サン、学園長である麻生祐未サンたちの演技でどんどん引き込まれる感じ。
 こういうのは、精神状態が健康でないと視聴不能かもしれません(笑)。 落ち込んでいるときに見るべきドラマじゃないです(笑)。 でもそこが、「ドラマのTBS」 の本領発揮している部分でもありまして。 言ってみれば、かつての金曜10時枠の 「未成年」 とかその手の類のドラマかな? ちょっと現実離れしていますが。 別の世界に連れていってくれます。

 しかしやはり、「また人殺しかよ」、と思ったのは事実でして。

 こんなのなら、まだ同じTBSでも火曜夜10時の深キョン主演、「ダメな私に恋してください」でも見ているほうが、心が癒される、というもの(笑)。
 このドラマ、とにかく主演の深田恭子チャンが(「わたしを離さないで」 の綾瀬はるかチャンの役名が、恭子だったよなァ…笑)、これでもかというくらいのバカ女で(笑)。
 こういうバカ女をやらせると、徹底的にうまいなぁこの人(褒めてるんでしょうか?)。
 あまりに話自体がバカすぎて、実は開始10分くらいでリタイアしかけたのですが、見続けていたら結構ジーンとする場面があった(ただしもう内容は覚えていない…爆)。
 相手役は今話題の、ディーン・フジオカサン。 この人、外国のドラマで頭角を現したらしいんですが、このドラマ自体もどことなく、台湾とか韓国ドラマのにおいがぷんぷんするような感じで、その作りでこちらの肩の力が、スーッと抜けていってしまうんですよ。

 それにしても深キョン、ドラマでは30女でどーしたこーしたやってたけど、ドラマに出てきた後輩の元同僚だかなんかが自分を24歳って話してたのに、深キョンのほうがどう見ても年下(24歳の人に失礼すぎる…)。 結局オトコの本能で、「可愛いバカ女」 深キョンを見続けリタイアする機会を失った、というのが本当のところかもしれません(でも次回も見たい感じ)。 感覚的には、綾瀬はるかチャンが一昨年やっていた 「今日は、会社休みます。」 のバカ女バージョン、というか(バカ女バカ女と、女性の読者が離れていくぞハシモト…笑)。

 そして一番面白かったのは、フジテレビ水曜夜10時の「フラジャイル」

 ですが、ちょっと今日はもう力尽きました。 なにしろ大雪でちょっと早めの出勤になるかもですので。


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