『この素晴らしき世界』(2023年夏ドラマ)キャスティングの常識を疑え
フジテレビ木10で2年前に放送されたドラマ。 当時療養中で記事を書くことがなかったが、なんとなくずっと気になっていたので今更であるが書く。 最初の2回くらい録画を消してしまったのだが、残りは最終回まで残したまんまで今でもたまに見たりする。 普通の主婦が、失踪してしまった自分に瓜二つの女優の代役を所属事務所から依頼され、周囲を偽りながら切り抜けていく、という内容のドラマだ。...
View Article『ばけばけ』 2週目まで見て-「とぼけた味」と「はぐらかし」の妙
大阪局制作の朝ドラ『ばけばけ』。 2週目までで評価を下すのはまだ早すぎるが、いい滑り出しだと思う。 明治期が舞台で小泉八雲とその妻が題材だ。 脚本はふじきみつ彦。 私はこの人のことはほぼ知らない。 ウィキを見るとテレビドラマを書いているのはテレビ東京とNHKが中心だ。 ほぼ知らない脚本家だが、ストーリーテリング的に朝ドラの「まったりとした雰囲気」によく合っている気がする。...
View Article2025年夏ドラマ『ひとりでしにたい』『ちはやふる-めぐり-』『大追跡~警視庁SSBC強行犯係』とか
このところ、「気楽に見ていられる」というのが私のドラマ選びの基準だ。 昔は「人が殺される」とか「復讐」とか、そんなドラマを避けていたが近頃は現実のほうが余程むごたらしいのでそんな縛りはいつの間にか立ち消えている(生きるのが嫌になったから他人を殺すとか腹が立つ)。 ただやはりサスペンスだのえげつないのは見たくない。...
View Article『あんぱん』最終回まで見て
3週間前、まだ放送途中だったこのドラマの感想を「ちょっと微妙」などと書いたが、ラストに向けてさすがに脚本の中園さんはスパートをかけてきた。 とりあえず言いすぎた面もあったと反省したい。 反省してから言うのもなんだが、このドラマで『アンパンマン』の産みの苦しみ、というものが今ひとつ個人的に真に迫ってこなかったのは、「嵩の仕事が『マンガ以外』は順調だった」、というところにあった気がしている。...
View Article『明日はもっと、いい日になる』『スティンガーズ』…の話だけれどそれより「私とフジテレビ」
中居正広氏をめぐる不祥事でスポンサー降板の大打撃をいまだ受け続けているフジテレビ。 福原遥が主役を務める月9ドラマもそのせいで題材が変わったらしい。 その『明日はもっと、いい日になる』という、実に印象に残らない薄い題名のドラマは児童相談所が舞台。 福原が刑事から児相に移動、という設定はだいぶ「ムリクリ」だと感じたが、その内容自体はとてもよかった気がする。...
View Articleアニメ『アン・シャーリー』シリーズ3作を半年でこなそう、とする無謀
『赤毛のアン』はその昔、フジテレビの世界名作劇場で高畑勲が1979年にアニメ化した。 その初期段階では宮崎駿が場面設定をしていたが『カリオストロの城』を監督するために離脱した、という「物々しい」傑作アニメである(当ブログでも「大人にならないと分からないアニメ『赤毛のアン』」という項で言及した)。 傑作、と言ってこれほどの傑作はなかろう。 日本アニメ史に残る傑作である。...
View Article『マッカートニーⅢ』 ②得体の知れない「迫り来る死」と闘っているような近年のポール
「『マッカートニーⅢ』についてあとで書く」とか予告しておきながら4年も経ってしまった。 まあ別にいーか。 共感を得られない個人の感想ですが書きたいことを書きます。 ただもう『Ⅲ』に関して深く考察するつもりはありません。 で。 いまだに『Ⅲ』を聴いていて思うのは、「なんとなく息苦しくなる」、ということ。...
View Article『あんぱん』 ヒロインが「何者にもなれなかった」珍しいケースの朝ドラ
「NHK東京局の最近の朝ドラはハズレがあまりない」と先の記事で書いた私だが、『アンパンマン』の作者であるやなせたかしとその妻を採り上げた今回(2025年)の『あんぱん』に関しては、少々微妙な感覚を抱いている。 脚本は『花子とアン』を書いた中園ミホ氏だから、見る前から一定のクオリティは約束されたものだと思っていた。...
View Article『寅に翼』 捌ききれない社会問題を半年にまとめた問題作
去年(2024年)東京制作のNHK朝ドラで放送された『寅に翼』について、「何を今さら」的ではあるが振り返りたい。 個人的には、このドラマは近年まれに見る力作だったと思っている。 社会全体に対する問題意識、という点では傑出していた。 振り返れば『ちむどんどん』(2022年)で大いなる批判と揶揄に晒されてから、東京局制作の朝ドラはハズレがあまりない。...
View Articleあの夏の日は、もう帰らない
35℃を超える猛暑日の続出に、いい加減ウンザリしている。 50年ほど前は30℃を超えただけでも大騒ぎで、日記にも「今日は暑かったので思いきり大きな文字で書く。『あつい』」みたいなことを書いていた(笑)。 当時流行っていた歌に、野口五郎の『夕立のあとで』という曲と、小柳ルミ子の『ひと雨来れば』という曲があった。 夏の風景を歌った叙情的な歌である。...
View Article『アンソロジー・コレクション』 を機に考える、ジャイルズ・マーティンの仕事②
前回より続く 『ホワイト・アルバム』で私がジャイルズの仕事に大いに失望したのは、「このタイミングでこの音!」という「決めのフレーズ」をことごとく外しにかかっていた(音を目立たなくした)点だ。 例えば冒頭の『バック・イン・ザ・USSR』。 間奏の直前にポールの「オ、カモン!」というシャウトが入るのだがこれの音が低い。 ガクッ、となる。...
View Article『アンソロジー・コレクション』 を機に考える、ジャイルズ・マーティンの仕事①
最近あまり大した話題がなかったビートルズ周辺。 ポールが2025年、新譜を出すとか、ジョンの『ワン・トゥ・ワン』とか、マネージャーだったブライアン・エスプタインの映画とかが主なところだったと思うが、『ラバー・ソウル』のスーパーデラックスエディションみたいな我々ビーファン期待のアイテムの発表はなかった。...
View Article『ナウ・アンド・ゼン』 ポールのビートルズ愛にあふれたラスト・ビートルズ・ソング
2023年11月の発表から既に1年数ヶ月が経とうとしているが、朝起きると未だにこの曲が、私の頭の中で、反芻し続ける。 『ナウ・アンド・ゼン』、ビートルズのラスト・シングルだ。 それほどまでにこの曲は私の人生の一部となっているのだが、ジョンの遺したデモ・テープをAIを使って彼の声だけを分離し、ほぼポールの主導で作られたこの曲は、発表当時、良くも悪くも世間を騒がせた。...
View Article『光る君へ』 大河ドラマの新しいジャンルだった
『源氏物語』を書いた紫式部にスポットを当てた2024年の大河ドラマ『光る君へ』は、「官能的」だった。 これは今までのどの大河ドラマにも当てはまらないジャンルである。 平安時代を描いたほかの作品でも私がきちんと覚えていない平将門の大河とか、これはこれで傑作だった平清盛の大河も同じく武闘派的だった。...
View Article2024年秋アニメ『チ。』『ドラゴンボールDAIMA』『らんま1/2』『オーイ!とんぼ』
アニメを見る頻度が格段に上がった秋クール。 以前に記事にした『ダンダダン』以外に私が見ているアニメを列挙する。 『チ。-地球の運動について-』はいかにもNHKが好みそうな教養モノ。 中世ヨーロッパが舞台で教会の圧力に抗いながら当時のスタンダードである天動説に対し地動説に辿り着く人々の話だ。...
View Article『団地のふたり』 素のままでいられる居心地
NHKBSプレミアムドラマで放送された『団地のふたり』。 小泉今日子と小林聡美が古くからその団地に住んでいる仲のいい幼なじみを演じた。 ふたりともいろいろあって出戻りみたいな設定で、小泉は橋爪功と丘みつ子演じる両親のいる棟に住んではいるが、「居心地がいい」「料理がおいしい」という理由で別棟にある小林のところへ通い詰めている。 これが傑作だった。...
View Article『あのクズを殴ってやりたいんだ』奈緒を突き動かすものとはなんなのか
連続してTBS火10ドラマの投稿。 奈緒がかなり攻めたパッツン前髪でクズ男に復讐すべく奮闘する。 物語は結婚式当日にドタキャンされた奈緒の惨めな姿から始まる。 これは現実としてはほぼあり得ないが、ドラマ的にはベタベタに手垢のついた題材だ。 このドタキャンしたクズを殴ってやりたいんだ、という話かと思ったら、そうじゃなかった。...
View Article『西園寺さんは家事をしない』 どっちつかずでもいいんだ、という時代?
このドラマ主演である松本若菜のデビューが『仮面ライダー電王』(2007年)で佐藤健の姉役だった、というから、この子のデビューから私は見ていたことになるが、プライムタイムの主役を務めるのは今回初めてだった、という。 40にして立つ。 テレビ局が考える「ドラマの主役」というのはとっくに硬直化が起きていて、たまにこういう「珍しい人」が主役になると、とても新鮮に思えたりする。...
View Articleアニメ『ダンダダン』 ハチャメチャな展開を納得させる「登場人物の心情」
(後半少々加筆しました) またデジタルコミック「少年ジャンプ+」からのアニメ化だ。 このサイトで私がいちばん好きなマンガと言っていい。 細密な描写とハチャメチャな展開なのにほぼ毎週連載を続けている、という驚異的な作者の力量にいつも感嘆している。...
View Article声優の田中敦子さん死去
声優の田中敦子さんが亡くなった。 享年61。 私とふたつしか違わない。 早すぎる死だ。 ヤフコメの反応を見ると、このニュースはとりわけアニメ『攻殻機動隊』のファンに大きな衝撃を与えているのではないか。 私もそのなかのひとりだ。 田中敦子さんは『攻殻』の主人公・草薙素子のボイスアクターだ。...
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